日本人の10人に1人が発症していると言われる爪水虫。

もしあなたが爪水虫にかかったら、病院の何科を受診しますか?

一瞬思い浮かばないですよね?

爪水虫について理解すれば、何科を訪れればいいのかがわかります。

爪水虫とは?

爪水虫とは、爪白癬ともいい、白癬菌というカビ菌が原因でおこる皮膚真菌症です。この白癬菌は、皮膚の表面の角質層や爪、毛穴などに住みつき、そこに含まれるタンパク質の一種であるケラチンを栄養源にしています。又、白癬菌は高温多湿を好み、およそ20~40度、湿度60%以上の環境が生存に適しているといわれています。

この白癬菌は水虫の原因菌でもあり、足につくと水虫(足白癬)といい、爪に入り込めば爪水虫(爪白癬)ということになるのです。

おもな症状

  • 爪に白い縦筋が沢山みられる
  • 爪の表面が黄白色から褐色のような濁りがみられる
  • 爪の周囲に赤く腫れるなどの炎症がみられる
  • 爪が分厚く変形している
  • 爪の表面がボロボロと崩れてしまっている

爪水虫は何科を受診?

上記のように、爪水虫の原因菌が水虫と同じ白癬菌によるものであることがわかれば、受診科は皮膚科であることが理解できると思います。

爪は皮膚の一部でもあるのです。(水虫にかかったら当然皮膚科を受診しますよね?)

皮膚科での爪水虫の治療は?

白癬菌には白癬菌を殺す専門のお薬があるので、まず皮膚科では誤った治療をしないため、白癬菌をしっかりと確認します。

その手順は、爪の濁った部分を少し削り取って、顕微鏡で観察する簡単なものです。そして、白癬菌を確認したうえで、以下のような治療にはいります。

内服薬の服用

1)ラミシール錠125mg(一般名:テルビナフィン)

(服用法)

1日1回 1回1錠を6ヶ月間服用します。

症状により治療期間は変わります。

(注意点)

重い肝機能障害や赤血球・白血球・血小板が減少の副作用がみられる可能性があります。

その為、肝臓の悪い方や、血液に障害のある方は使用できません。

服用の際は、肝機能、血液検査を定期的に行う必要があります。

 

(内服薬の良い点)

内服薬は腸から吸収され、爪に移行し留まることで持続的な効果を発揮します。

その結果、爪の奥深くの白癬菌を退治することができます。

2)イトリゾールカプセル50(一般名イトラコナゾール)

(服用法)

パルス療法と呼ばれる服用法です。

1回2カプセルを1日2回食直後に服用。これを1週間継続し、3週間休む。これを3回繰り返します。実質の服用期間は3週間となります。

・食直後に服用する理由。

イトリゾールは水に溶けにくいので、空腹時では吸収が悪くなってしまいます。

脂肪分や胆汁の助けが必要なため、食直後となっています。

 

(注意点)

イトリゾールは相互作用が非常に多い薬です。

併用禁忌の薬を以下に挙げておきます。

  • アゼルニジピン、ニソルジピン、エプレレノン、アリスキレン(降圧薬)
  • エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン(片頭痛治療薬)
  • トリアゾラム(睡眠薬)
  • キニジン、ベプリジル(抗不整脈薬)
  • ピモジド、ブロナンセリン(抗精神病薬)
  • ダビガトラン、リバーロキサバン(抗凝固薬)

など、一緒に服用することで一方の作用が強くなる物が多くあります。

またもともと肝臓の悪い方も症状を悪化させる可能性があるため使用することができません。その他、妊娠の可能性がある方や妊婦は服用できません。胎児に奇形を生じる可能性があるからです。

イトリゾールは本当に制限が多いのです。

外用薬の塗布

1)クレナフィン爪外用液10%(一般名:エフィコナゾール)

クレナフィン爪外用液10%

出典:http://clenafin.jp/product/img/photo_01.jpg

エフィナコナゾールを有効成分とする日本初の外用爪白癬治療薬です。

以前は日本国内で承認されている爪白癬治療薬は内服薬のみでしたが、先にも記載しましたように、肝障害等の副作用や薬物相互作用がみられるという欠点があります。

その為、爪白癬に対し有効性が期待できる外用薬が登場したということは画期的なことといえます。(平成26年9月保険適応)。

 

(使用法)

ボトルの先端のハケで、1日1回入浴後に ①爪全体 ②爪の両側 ③爪の先端 に塗布します。

その際、皮膚に付いた余分な薬液はティッシュ等で拭き取ること。

内容量が3.56gとあまり多くはありませんが、衛生面から1本を4週間以内に使い切ることを推奨しています。

2)ルコナック爪外用液5%(一般名;ルリコナゾール)

ルコナック爪外用液5%

出典:http://medinfo-sato.com/products/luconac/images/luconac_sato_01.jpg

ルコナック爪外用液はルリコナゾールを高濃度で配合(従来の1%→5%)することで、爪に対する透過性、貯留性を高めた製剤です。

(使用法)

プッシュ式のボトルに入っています。1日1回塗布します。

  1. 1回押して薬液を出し、爪全体に行き渡るように塗り広げます。
  2. 次に爪と指の間に1回押して薬液を出します。

薬を塗った爪は、寝具や衣服(靴下)にふれる前に乾かす。

塗り終わったら容器先端をきれいにふき取ること。

まとめ

爪水虫の薬には市販薬もあるのですが、まず、皮膚科で爪水虫であることを確認することが重要です。医師の指導のもと、病院でしか処方されない薬で、爪水虫をしっかり治しましょう。完治まで、半年から1年は覚悟してください。