日本では約1200万人が爪水虫にかかっていると言われています。高齢者が40%をしめているといわれていますが、近年、若い女性にも爪水虫が広がっているといわれています。

妊娠の可能性のある方、妊婦の方がもし爪水虫に感染してしまったら?

どのような治療方法が適切なのか?

妊婦さん向けの様々な情報をご紹介します。

爪水虫についての基礎知識

爪水虫とは?

白癬菌というカビ(真菌)の一種が爪に感染し寄生して発症します。正式な病名は、「爪白癬」といいます。水虫(足白癬)を長期間放っておいたために、皮膚から爪の中へと白癬菌が侵入し、爪水虫(爪白癬)を発症してしまいます。爪水虫は一度発症するとなかなか治りにくい病気です。

なお爪水虫は足だけでなく、手に発症する場合もあります。

症状は?

爪に筋が入り、白色や褐色に濁り、分厚くなります。

爪には神経がないためかゆみや痛みといった自覚症状がないため、爪水虫と気づかず重症化してしまいます。

爪水虫はどのようにして感染するの?

爪水虫の家族とスリッパやバスマット、爪切りを共用するなどが感染の原因だと考えられます。人間の皮膚は約4週間で新陳代謝を繰り返していますが、この新陳代謝によって剥がれ落ちた古い角質にも白癬菌(水虫菌)は存在しており、それが家族に感染してしまいます。

また白癬菌に感染した爪を切って床に落としたままにし、それを家族が踏むことによっても感染します。

 

家庭内だけでなく、スリッパを共有する病院や公共施設、銭湯やプールの足ふきマットなどでも感染することがあります。

 

ただ、白癬菌が感染するのには最低でも24時間以上は必要といわれていますので、毎日入浴し、良く乾燥すれば感染を防ぐことができます。

妊婦さんが爪水虫になってしまったら?

爪水虫の治療には、「内服薬を飲む」「外用薬を塗る」という方法があります。

 

「内服薬」は確かに爪水虫には有効な治療方法です。

爪水虫にかかった爪は厚く外用薬は浸透しにくいのに対し、内服薬は体内から直接患部の白癬菌に働きかけるからです。

しかし、内服薬には重要な副作用があります。

胃の不快感や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢の他、肝機能障害など・・・。

人によっては、既に抱えている持病を悪化させる可能性もあり、妊娠中や妊娠の可能性がある方は服用できません。

では妊婦さんはどうすればいいのでしょう?

「外用薬を塗る」という方法です。

確かに外用薬は白癬菌にまで届きにくいという欠点があります。

その欠点を補うため、ODT療法に注目したいと思います。

ODT療法とは?

ODT療法とは、Occlusive Dressing Technique(密封療法)の略で、抗真菌薬の軟膏(ラミシールなど)をラップなどで密閉状態にして浸透させる療法のことを指します。

より効果を高めるため、専用の爪ヤスリで爪を薄く削ってから塗る場合が多く見られます。

ODT療法の手順

  1. 石鹸で足全体を優しくしっかり洗う。
    爪の生え際、皮膚との境目、指の間まで菌を洗い流すイメージで・・・。
  2. タオルで水分を除き、十分に乾燥させる。
  3. 外用薬を爪全体、皮膚との境界、爪の生え際まで細かくたっぷりと塗りこむ。
  4. 指一本一本を巻けるくらいの大きさにラップを切り、テープで固定する。
  5. その状態で約30分~1時間程度放置する。

爪が完全に生え変わるまで(半年~1年)は続けましょう。

最終的に皮膚科で白癬菌の有無を調べてもらえば安心ですね。

まとめ

妊婦さんや妊娠の可能性のある方は、爪水虫の感染経路、初期症状の知識を身に着け、

まず爪水虫にかからないよう、日常生活に留意すること。

爪水虫かもしれないと思ったら、一日も早く皮膚科を受診し適切な治療をすることが重要です。

爪水虫は赤ちゃんにも感染します。又、妊娠中だけでなく、授乳中(母乳の場合)は内服薬も使えません。赤ちゃんが生まれる前にきっちり治しておきましょう。